「音響デザイナー」ということについて

アメリカのTSDCA( The Theatrical Sound Designers and Composers Association)とイギリスの ASD(Association of sound designers)のサイトに、音響デザイナーとはどんなことをする仕事なのか、に関する文章があったので、訳してみました。

TSDCA 「舞台の音響デザイナーの芸術性」 共同作業するチームの一員として、次のいずれかまたはすべてを実行します。 ・演劇の聴覚の世界を進展させる ・脚本を解釈して反応し、演劇制作のすべての芸術的側面における音の要素の制御を提供する ・音楽や音で劇作家の物語や登場人物を盛り上げ、照らし出す ・以前に発表された素材の編集や、作曲家やミュージシャンとの共同作業により、場面転換、シーンの強調、またはその他の音の必要に対応する音楽的様式を決める ・オリジナルの録音、合成、空間内の物理的な物の操作、または既存のサウンドライブラリから没入感のあるサウンドスコアを作成する ・俳優の声や音楽アンサンブルをミキシングの技で形作り、これらの音を会場全体に持ち込む 原文はこちら https://tsdca.org/learn/#conceptual

ASD

短い版: 基本的に、舞台音響デザイナーは、観客が耳にするものすべてに責任があります。実際に何が伴われるかは、 演目 の種類、演目の出演者、公演の会場に応じて、大きく変わり得ます。現実的には、個々の作品の要求に応じて何をするかを変化させるので、音響デザイナーが行うことをすべて網羅する単一の職務説明というのものはありません。音響デザイナーとは、さまざまな分野や技術のマスターでなければならず、優れたチームワークと世人のスキルを備えていなければなりません。

長い版:

音響デザイナーは、演出家や他のスタッフと緊密に協力して、作品の聴覚の世界を作り出しています。次のようなことを含んで:  音響デザイナーは、作品の物語のための自然主義的や抽象的な世界を創り出すだけでなく、観客の情緒的かつパフォーマンスへの劇的なつながりを助ける、効果音、雰囲気、音響的な肌理、映画的な雰囲気を作り出すかもしれません。 これには、舞台上の小道具やその他の舞台外の効果の使用も含まれます。  音響デザイナーは音楽を選曲、編集、リミックスするかもしれません。 オリジナルの音楽を作るために作曲家と一緒に作業したり。または劇場で生演奏のミュージシャンと一緒に仕事をしたり。  音響デザイナーは、劇場や舞台の音響調整、またはパフォーマーのための無線/置きマイクの追加と設定を含む、どうすると作品が最もよく聴こえるかについて助言するかもしれません。  音響デザイナーは、特定の作品と会場に合わせた音響システムを設計し、観客にショーの最高の体験を提供します。

成功するためには、プロの音響デザイナーは、十分に発達した聴覚感覚を含む、膨大な数の創造的および技術的なスキルセットを持っていなければなりません。 音楽の歴史とジャンルの包括的な理解。 音楽家の、バランス、音色、リズム、メロディー、ハーモニー、音楽構造に対する感受性。 心理音響学、システム工学、音響学、コンピュータネットワーキング、構成要素の統合、洗練されたオーディオ配信システムの深い理解が含まれます。 さまざまなコンピュータオペレーティングシステムとソフトウェアの技術スキルは基本的なものです。急速に変化する技術開発の世界で新しい概念と機材を学ぶ能力と同様に。しかし、おそらく最も重要なのは、音響デザイナーが、観客をパフォーマンスの渦の中にすっと送り込んで、そのパフォーマンスを本当に忘れられない体験にする、という物語りのプロセスを援護するための、音の巨大な力を理解していることです。

「劇場は奇妙な世界で、そこでは私たちは人生をしばしば遠い時代に想像上の場所に連れ込もうとしています。 観客はしばしば私たちと共謀しています。外では乗り物が行き交っている劇場に座っていることを無視して、例えば16世紀の森にいて、マクベスが三人の魔女に話しかけるのを聴いていると想像して。 私の仕事は、その疑いの停止行為の、すべての聴覚的要素を含んでいます。 そして多くが、音と音響システムの創作だけでなく、その音がどのように聴こえ、観客に感じ取られるのか、そしてその知識を使って物語の旅にいかに観客を連れていくかの理解にも関わっています。」

原文はこちら http://www.associationofsounddesigners.com/whatis


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